Japanische Klassiker mit Furigana
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ちょうじんニコラ
超人ニコラ/大金塊
江戸川 乱歩
Lesen Sie 超人ニコラ/大金塊 (ちょうじんニコラ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 175.219 Zeichen · 350 Bildschirme
長いカーテンの下からは、二本の長ぐつがのぞいているではありませんか。
悪者です。悪者が窓からしのびこんで、カーテンのうしろにかくれながら、さわげばうつぞと、不二夫君をおどかしているのです。手紙を投げこんだのも、この悪者のしわざにちがいありません。
悪者は息をころし、身動きもしないで、だまりこんでいます。顔も見えなければ、姿も見えません。ただ、ピストルと、カーテンのふくらみと、下から見えている長ぐつで、それと、わかるばかりです。
でも顔形が見えないだけに、いっそうぶきみな感じがします。相手が、どんなやつとわかっていれば、まだいいのです。それがまったくわからないものですから、なんだかお化けにでも出あったような、いうにいわれない、心の底から寒くなるようなおそろしさです。
お話の本には、悪漢におそわれたおじょうさんが、歯の根も合わぬほどふるえていたと書いてありました。それを読んだときには、「歯の根が合わぬって、どんなことかしら。」と、ふしぎに思ったのですが、今こそ、その気持ちがはっきりわかりました。ほんとうに上下の歯が、しっかりと、合わないのです。からだじゅうが小きざみにぶるぶるふるえ、歯がガチガチ鳴って、いくらとめようとしてもとまらないのです。