Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
さっきから、すこしも動かないのです。
なんだかへんです。しかし太一郎さんは、まだ部屋の中へとびこんでいく決心がつきません。そこに立ちすくんでいるばかりです。
しばらくして、カーテンのあたりに、ガチャンという音がしました。ギョッとして見つめていると、いきなりカーテンが、さっと左右にひらかれ、そこから、書生の姿があらわれました。村瀬ではなくて、書生です。そして、村瀬は、どこへ行ったのか、かげもかたちもないのでした。
あっけにとられていると、書生がニコニコして、カーテンのはしをもちあげてみせました。するとそのカーテンのはしに細い糸で、さっきのピストルが、ぶらさがっているではありませんか。それから床に目をやると、そこには、二つのくつがぬぎすててありました。カーテンがしまっているあいだは、いかにもそこに人が立っているように見えたのです。村瀬というみょうな男は、くつをぬぎすて、ピストルをカーテンにぶらさげておいて、とっくに、窓からにげさっていたのです。
ただ、にげだしたのでは、書生たちがおっかけてくるでしょうし、警察に電話をかけられ、非常線をはられる心配もあります。