Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
あやしい女こじき
刑事諸君にそのことは、よく注意しておいてください。」
明智は、それをなんどもくりかえして、ねんをおすのでした。
あやしい女こじき
そのあくる日の夕方のことです。常楽寺のうらの、草ぼうぼうのおばけやしきの、こわれたコンクリートべいのそばを、酒屋のご用ききといったかっこうの、三十ぐらいの男が、あたりをキョロキョロ見まわしながら歩いていました。それは中村警部の部下の刑事の変装姿でした。
空はいちめんの雲にとざされ、風ひとつないどんよりとした日でした。歯がかけたように、こわれているコンクリートべい。その中の、ひざまでかくれるような草むら、うしろのほうには、常楽寺の墓場が、うす暗い木立ちの中に、チラチラと見えています。あたりは、シーンとしずまりかえって、人っこひとり通りません。
「なるほど、こいつはおばけやしきだ。なんて気味のわるいところだろう。」
ご用ききにばけた刑事は、そんなことをつぶやきながら、だれも人のいないのを見すまして、コンクリートべいのやぶれたあいだから、そっと中へはいっていきました。ところが、一歩足を入れたかとおもうと、かれははっとしたように、やにわに、草むらの中へ、身をかがめたのです。