Japanische Klassiker mit Furigana
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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 160.770 Zeichen · 322 Bildschirme
きみは、こんやは、どうかしているよ。」
高橋さんが、にが笑いをして、いいました。広田は、頭をかきながら、首をかしげるばかりです。しかし、広田は、あの怪物がまぼろしだったとは、どうしても、考えられません。たしかに妖虫が、はいこんできたのです。しかも、それがあっというまに、煙のように消えうせてしまったのです。
広田は、なお、あきらめないように、書斎の中をグルグル歩きまわっていましたが、ふと、大机のまえに立ちどまると、その上にひろげてある、手紙の用紙のたばを、じっとみつめました。
「あっ、これ、先生がお書きになったのですか。」
とんきょうな声に、高橋さんも、そこへ近よって、用紙を見ました。
「わたしじゃない。そこには白い用紙がおいてあったばかりだ。」
「それじゃ、やっぱりそうです。あいつが、書きのこしていったのです。」
その用紙には、らんぼうな大きな字で、つぎのように書きなぐってありました。
こんやは、気づかれたので、このまま帰る。だが、賢二君はかならずさらってみせるから、そのつもりでいろ。
そして、その文句の下に、子どものいたずらのような、へたな絵で、一ぴきの黒いカブトムシが書いてありました。