Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
」
「それは一応御尤もです。御尤もではござんすが、手前共でも若い者まかせにはしないで、吾々自身出ばるつもりなんで、何しろこの際の事ですから……」
「つまり町内の共存共栄のためにですなあ……」
賭博常習犯でたびたびあげられた事のある床屋は叮嚀な口をきいても脅かす力を示し、区会議員の候補者に立った事もある肉屋のあるじは、得意とする弁舌を振い、どうしてもいやとは云わせないのであった。人心が荒くなり、うっかりするとどんな私刑にあわされるかわからない「この際」であった。彼ははっきりした返事も出来ずに当惑していると、いつの間にか承諾した形になってしまった。
「では、何分よろしく願います。」
「ですが、お隣の井原さんなんかもお困りではないでしょうか。」
口きき連が辞去しようとするのを呼止めて、まだ決心のつかない自分のいいわけに、隣人の名を借りたのであった。
「え、お隣の鬼富ですかい。あんなわけのわからねえ奴あありませんや。吾々が顔を揃えて行ったのに、めいめい自分んちだけ守ればよくはないかとぬかしゃあがってね、あっしゃあ気が短けえから、みなさんがとめて下さらなけりゃあ、横ずっ頬を張飛ばしてやったんだが……」