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Japanische Klassiker mit Furigana

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いさん

銀座復興 他三篇

水上 滝太郎

Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

」

妻は、この間ねだった子供の洋服を、震災後の流行言葉で、「この際」ぜいたくをいうなと拒まれたのを根にもって、つんとして見せたが、自分でも子供らしい怨言だと気がついて、たちまち口辺に微笑を浮べ、彼の方にながしめを送った。

だんだん寒くなると泥棒が横行するから、戸ごとに一人ずつ夜番を出し、町内の安全をはかろうという議が起った。町内の口ききの、肉屋と米屋と車宿の親方と床屋が、他所行の羽織を引かけて、一軒一軒説いて廻った。

妻と子供の外に奉公人もなく、自分は昼でも夜でも根気の続く限り机に向って原稿をかかなければならない彼は、最初からこの提議に対して不服だった。夜が更けて、世間も家の内も静かになり、頭脳がすみ、目が冴えて来ると、筆の進みも早くなり、暁方まで一気に書いてしまうのがよくある事なので、夜中は大事な時間なのだ。それを、夜番なんかに引出されるのは、衣食の道を塞がれるに等しいのだ。

「皆さんとこみたように若い衆はいないし、私の外には屈強の者はいないのだから、たとえ毎晩ではないにしても、徹夜の警戒は困りますなあ。そんな事をするよりも、みんなで応分の寄附をして、専門の夜番を雇う方が利口じゃありませんか。