Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
隣人は、町内の者が何をしでかすかわからないという暴力の脅迫に対しては、かえって反抗の気勢を示し兼ねなかったが、彼と共に拍子木を打って夜廻をするという事は、微笑をもって聞いたのである。
「もし又あなた自身出て行くのがいやな時は、人を雇って代らせたって構わないのです。」
「いや、人を雇うなんて事はしません。そういう仲間に加わるなら、勿論自分でやりますよ。」
「そんならいっしょに出て行きましょう。あなたが提灯を持って先に立つ、後から私が拍子木を叩いて歩く。いいじゃありませんか。」
彼の調子が浮々したのに合せて、隣人も笑を声に出したのであった。
夜番の番が廻って来た。或る大名華族の屋敷の門長屋が詰所にあてられた。外套を着、襟巻をした彼は、和服に二重廻の隣人を引張って出かけた。
「今晩は。」
と入って行くと、
「御苦労さま。」
と受けてくれた。彼と隣人の外に、仕立屋と駄菓子屋が当番だった。だが、詰所にはもっと多勢集っていた。町内の口きき連から、用のないてあいが、将棋盤や碁盤を持込んで、しきりに無駄話をしていた。彼等の目は一斉に隣人の一身にそそがれた。
その意地の悪い、衆を頼むまなざしを、隣人は直ぐに感じてしまった。