Japanische Klassiker mit Furigana
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いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
いったん部屋の中に入って、障子もしめてしまおうかと思った程だったのが、殊更縁側へ出て、自分の方から声をかけないでは済まされなくなった。
「ほんとにひどいんですよ。いくらあたしがいたずらしてはいけないって云ってもきかないんですもの。」
「そんなこってきくもんですかね。今度来たらひっぱたいてやるから。」
いつまでも、寂しくなった木の梢を見上て、誰にでも当りちらしたい肚の中をあからさまに、きびしい事を云うのであった。
「子供って為方のないものですねえ。あたしがそれは渋柿だから、取ったって喰べられやしないって云ったんですけれど、がりがりかじって見せたりして。」
おときはいいわけがましく、気の弱い事を繰返して、心の中ではなさけなく思った。
新吉が帰って来ると、待構えていて、その日の出来事を話した。
「だって、いかにもあたしが意気地がないから柿を盗られたんだって云うような口ぶりなんですもの。あの梵妻さんも随分だわ。」
味方を得た嬉しさで、しきりに自分の弁護と、梵妻のどぎつい態度を非難した。ふだんはお寺の奥さんと呼んでいたのが、梵妻さんだの梵妻だのと云った。
「子供は為方がないなあ、すっかり葉の落尽した骨のような枝のさきに、熟し切ったあかい奴の鈴生りになっている景色が秋の風情なんだがなあ。