Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いさん
銀座復興 他三篇
水上 滝太郎
Lesen Sie 銀座復興 他三篇 (いさん) von 水上 滝太郎 (みなかみたきたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.579 Zeichen · 82 Bildschirme
」
あくまでも自分の目を楽しませ、心をなぐさめるものとして、なつかしがっていたのだから、子供の暴虐のあとを、わざわざ庭に出て見届けて来た。
「なあに、それ程の事はないよ。たかが五つか六つ落されただけだろう。」
さも安心したらしい様子で家の中へ引返して来た。
「渋柿なんか少し位とられたっていいじゃあありませんかねえ。」
梵妻の態度がいつまでも心に残っていて、楽しい食事の間にも、おときは口惜がっていた。
その頃、おときは初めて自分の体にただならぬ変化の起た事に気がついた。末の妹の生れる時、産褥で母のあさましく苦むのを見たり、その後もひよわくて年中両親に心配ばかりかけているその子の事を思うと心配だった。何という事もなく、夫に大きな負担をおわせてしまったような気がして、済まないと思うと、いい出し悪くかった。それでも黙ってもいられないで、
「あたし、子供が出来たのかと思うの。済みませんが……」
と夫の顔色をうかがいながら切出すと新吉は上機嫌で、
「済みませんとは何の事だい。僕は子供は大好だ。」
と云ってさも面白そうにおときの言葉を笑った。そうきくと、おときは自分の体内に夫の愛情が形になって宿ったような気持がして、俄かに我身がいとしくなった。