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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

「あっしは平次だが――小松屋の若旦那が、どんな用事で、こんなところへ来なすったんだ」

縁側へ席を設けさして、平次は煙草入を抜きます。調子は間違いもなく客を迎えながら眼はまだ庭に並べてある、情けない植木鉢に吸い付いて、その若い芽や、ふくらんで行く蕾を享楽しているのでした。

「思案に余って参りました――私の身に大変なことが起ったのでございます」

「大変なことにもいろいろあるが」

平次の瞳はようやくこの若い客に戻りました。持物も、身扮も、申分なく大商人の若旦那ですが、物言いや表情や身のこなしに、一脈の野趣といおうか、洗練を経ない粗雑さの残るのはどうしたことでしょう。

「――私は、殺されかけているのでございます。親分さん」

「それは容易じゃないな、詳しく話してみるがいい――が、その前に、お前さんの身の上を聴いて置きたいな。お前さんは小松屋の若旦那で、素直に育って来た人じゃあるまい。昨今田舎から出て来たのか、それとも――」

銭形平次の首はむずかしく傾きます。

「恐れ入りました。親分さん、私の身上には、人様が聞いても本当にはしないだろうと思うような大変なことがございます」