Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
五
て納まらなかったのも無理はないことでございます。吉太郎にすれば、お浜をこの私に取られるより、一と思いに殺した方が、どんなに晴々するかわかりません。
――親分さん、お願いでございます、お浜とお安と二人を殺し、こんどは忠五郎を殺そうとしている極悪人を、これからすぐ四谷忍町まで行って、縛って下さい、お願いでございます」
若旦那の重三郎は、縁側の上に手を突いてポロポロと涙を流しながら、銭形平次を伏し拝むのでした。
五
「親分、若旦那があんなに言うんだ。一とっ走り四谷へ行って、その下手人を挙げて来ようじゃありませんか」
ガラッ八の八五郎は、すっかり感激して、平次の前に突っ立っておりました。少々むくつけき感じですが、この若旦那は全く見掛けに寄らぬ雄弁です。
「よかろう、二人殺して、ヌケヌケと三人目を殺しにかかっている奴は、放っちゃ置けない」
「じゃ出かけましょうか」
八五郎はすっかりいきり立って居ります。長いあいだの習慣と、この男の正義感で、悪者が眼の前にヌケヌケとしているのは我慢が出来なかったのです。
「心配するな、曲者は四谷じゃないよ」
「えッ」
「そこに居るじゃないか、それ」