Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
「もう一つ、こいつは大事なことだ、敷居へ豆を置いて、亭主の浮気を見破った、嫉妬焼の女房の話はおれも聴いたことがある――あれは面白い仕掛けだと思ったが――重三郎に、お前の部屋にも仕掛けて置いたのかと訊くと、仕掛けて置いたと言ったろう」
「…………」
「その上、念入りに朝になると自分の部屋の敷居の豆も動いていたと言ったはずだ」
「…………」
「自分の部屋の敷居の豆が、動いているか、動いていないか、自分にわかるはずはないじゃないか、――朝になって、それを見ようと思って、唐紙か障子を開けると、豆は必ず動くに違いない――どの部屋も同じ造りで、敷居は外にあって、豆は外から置けると言ったろう」
「あッ、なアーる程」
八五郎が、すっかり恐れ入ってしまいました。
「おまけがもう一つあるよ」
「へエ」
「お前も見たはずだが、重三郎の左二の腕の赤い痣――チラと見せたが、あれは痣じゃない、朱の入墨だったよ」
「…………」
「重三郎は間違いもなく偽者だ――お安を殺して、忠五郎も亡きものにしようとしたのは、偽者と知っている者を殺して、ぬくぬくと小松屋の跡取りになるつもりだったのさ。お安と忠五郎が生きているうちは安心が出来ないし、その上弱い尻を押えて居る忠五郎に絞られて、それがうるさかったんだろう。