Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
息を吹き返すことになるだろう」
「そんなものですかね」
二人の話は結論に入る前に、もう立花家のお勝手に立っておりました。
低い生垣越しに見ると、西側の部屋の障子が少し開いて、若い娘の姿がチラリと動きます。それはたぶん、娘のお妙の好奇な顔でしょう。八五郎が形容した色の白さが、底に青澄んだ光を蔵した白さで、叡智か情熱か、ともかく異常なものを持った顔色です。
眼は大きくて、印象的に澄んでおりました。病弱のせいか、頬は細っそりと痩せ、唇の赤さだけが、熟れたグミのように眼立つのは、虫のついた果物が、早く色づくと同じような不健康な魅力でした。
「御免下さい」
平次は静かに訪ずれると、奥で何やら言い争っておりましたが、しばらく経ってから、
「なんじゃ、用事は?」
五十前後のやかましそうな浪人者が、お勝手いっぱいに、通せん坊をするように立ち塞がりました。たぶん娘のお妙と、なにか一と悶着のあった様子です。
「私は町方の御用を承わっている、神田の平次と申すものですが、ちょいと、お嬢様にお目にかかって、伺いたいことがありますので」
「…………」
継ぎ穂もなく苦りきっているのへ、平次は重ねて、