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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

定吉といっしょに立上がる松次郎を、少しやり過して平次は呼び留めました。

「松次郎さん、ちょいと」

「私にか?」

松次郎は振り返りました。あまり賢こくなさそうでも、武家の子だけに、何処か折目の正しいところがあります。

「立花さんのお嬢さんが、竜吉へやる手紙の文使いを頼んでいたそうですね」

「…………」

松次郎は、黙って白い眼をしております。

「手紙は二十四本、一々竜吉の受取った順でしまってありましたが、一昨日の一本だけが見当らないのはどうしたことでしょう」

「知らぬ――と言ったら」

「そんなことはありません。立花様のお嬢様が、たしかに松次郎さんにお頼みしたと、こう申します」

「…………」

「人一人の命にかかわる、大事のことです。拝見できませんか」

平次は少し執拗に追及するのでした。

「不本意だが、お目にかけよう。これだよ――お妙さんの名前に拘わると思って、私の手にあるうちに、揉みくちゃにして捨てようと思ったが――」

従姉の名前のために、そう考えたのも無理のないことですが、それにしても、今までに運んで来た、二十四本の恋文の始末をつけなければ、最後の一通を隠しおわせたところでなんの足しにもなりません。