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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九) 全十冊

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

松次郎はその間に自分の懐中を探っておりましたが、やがて、絵封筒から抜いた、揉みくちゃの手紙を出すと、ポイと平次の方に投って、トントントンと定吉の後を追います。

「ひどく揉みくちゃですね、親分」

「そのうえ念入りに千切ってあるよ、――可哀想に、竜吉はこの手紙も読まずに死んだことだろうが」

文句は悲しく甘いだけのこと、素より大の男の読むようなものではありませんが、半切へ書いた長い手紙が、り取ったように捻切られたうえ、最初の半分ほどは滅茶苦茶になって、所々破けたところもあり、よじられて小皺が寄って、見る影もなく痛んだところもあるのです。

「ところで、この死骸を見ると、竜吉の身体はよっぽど悪かったらしいな」

骨と皮になった少年の死骸から、痛々しそうに平次は眼を反けました。

「?」

八五郎は、平次の思惑を測り兼ねて、ジッと見上げました。

「これだけ弱っていると、自分の首に巻いた凧糸の罠を、自分の手で絞って死ねるだろうか」

「…………」

「手拭や紐で、自分の首を絞めては、どうしても死ねないのが本当だ――これは前に言った。でも、箪笥の引手でもよい、逞ましい火箸でも構わない、そんなものを使って絞めさえすれば、自分で自分の命を絶てないこともないというのが、首縊りの言い伝えだが、この竜吉というのは、病み呆けて、力も元気もうせ果てている