Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
。自分の首に巻いた凧糸を、火箸や棒切れで絞って、本当に死ねるだろうか。水は一箇所だけ付いていたはずだ、――糸が皆んな濡れていたわけじゃない、――いや一箇所も――火箸を首の右の方で突っ込んで絞ったとすると、そのあべこべの、左の方だったと思う、水は――」
「どこにもありませんよ、親分」
「その土瓶が空っぽになっていたはずだ。病人はときどき水を欲しがるから、その土瓶の中には、少しは水が残っていたはずだと思う。竜吉が死んだとき――自殺だか、人に殺されたかわからぬが――ともかくその水を首へ巻いた凧糸へ、土瓶の口から直かにこぼしたに違いあるまい」
「自分の首へ凧糸を巻いて、その凧糸の上から、存分に水を滴し込んだというわけでしょう、――冷たいことだね」
「それからもう一つ、松次郎がお妙の手紙を持って、誰にも見つからずに来る道があるに違いないと思う。お前は少し身体が重くて、文使いの所作には不向きだが、その窓から出て庇を渡り、冬囲いの柱を伝わって外へ――土手の蔭を林へ抜け、畑の途中から道を取って返して、向うの道の途中まで行ってみてくれ」
「ヘエ、こいつはわけもありませんよ。