Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九) 全十冊
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(九) 全十冊 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.029 Zeichen · 82 Bildschirme
「この袷ですよ、――私はこの青い小紋が大好きで――」
「真実かえ、こいつは大事のことなんだが、少しの間も脱がなかったのだな」
「そう言えば、ほんの半刻ばかり、脱いで二階の陽当りの良い欄干へ乾していましたよ。お勝手で水仕事をして、袖のところを少し濡らして、その乾く間だけ、黒っぽい縞の袷を着ていましたが」
「乾した場所は?」
「東側の縁の外で」
「そこは畑の向うの立花さんの家からは見えないだろうな」
「見えませんよ。この家は少し東の方へ向いているから」
「それで、青い小紋の袷と着換えたのは何時だ」
「竜吉が死んだ騒ぎの後、いろいろの人が来るので、黒い縞の袷を脱いで、また青い小紋と替えました、――その時はもう袖口の濡れも干いたので」
「その黒い袷と着換えたのを、誰か知ってる者はないのか」
「お北は、――あら、その黒い縞の方もよく似合うじゃありませんか、などとお世辞を言っていました。竜吉が死んでることを見つける少し前です」
お専の応えには、なんの渋滞もありません。
「八、曲者の正体はわかったよ」
平次の声は自信が充ちました。
「誰です、親分」
八五郎は弾みきっております。
「あれだ、畑の中を、飛んで行く奴」