Japanische Klassiker mit Furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Lesen Sie 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.947 Zeichen · 114 Bildschirme
その十九
たとえば、高氏が鎌倉に残してきた妻の登子や幼子たちの未解決な運命などもこれからの課題である。高氏の叛旗は、あざやかに、六波羅攻略には成功したが、そのためには、最愛の妻子をこの大ばくちに賭けたのであり、恐ろしい欲望だったというしかない。
しかし彼ばかりでなく、世はあげて非情な時代だったのだ。そしてそんな非情な人心によってつくり出された次の“建武の中興”が、さらにどんな地上を招来したか、それを近代の目で捉えてみたい。
新田義貞のことは、序篇「あしかが帖」の中でも少し描いたが、こんどは彼の出の本番といってよい。鎌倉攻めには彼は主役として登場する。
しかし中原ノ鹿を追う主役の座を不動なものにするかいなかは彼自身の器量にあった。義貞もこれまでの史上では、偶像義貞にされすぎていた。正成ともちがう、高氏とも大いに違う、義貞その者を彫り上げてみようとする意欲はくるしくもあり愉しみでもある。(三五・三・一二)
その十九
「子供の日」でも、子供自身は一こう特別な感動はしていない。子供にとっては毎日が「ぼくらの日」だからであるのだろう。大人のすることはおおむねが大人自身のためにしている。