Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
そんならまにあってますわ。」
「そうですか。ほっほっほ。」
老婆はまたかわいらしく笑って、あっさりと引揚げた。音枝はその場にしゃがみこんで笑った。浜子はますますいい気になり、
「ほら、ね。」
音枝がはけをもち、浜子はのりおけをもって、お互いにきげんのよい時をすごしていると、
「こんちわあ。」
また切戸があく。老人だ。
「奥さん、きんかくしの掃除はいかがですか。安くしとくがね。」
「まにあってまあす。」
浜子が調子づいていうと、
「え、なんだって!」
少々気色ばんだのをみると、浜子は少し調子をさげて、
「まにあってるのよ、おじさん。第一、そんなもの、ないのよ、うち。」
これにはさすがの老人も笑い出し、
「ほんとかねお嬢さん、あさがおのないうちはあっても、きんかくしのないうちはないよ。」
「そうお。ところがうちにはないのよ。ねええおねえさん。」
浜子はそれをまじめくさっていう。
「じゃあ、おとなりへ借りにいくのかね。」
「ええ、近所同士ですもの、何でも貸したり借りたりよ。――おじさんさっきの歌うたうおばさんと夫婦なの。」
音枝はもうたまりかねて、すぐそばのハギのしげみにかくれ、思いきり忍び笑った。