Japanische Klassiker mit Furigana
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こうやひじり
高野聖
泉 鏡花
Lesen Sie 高野聖 (こうやひじり) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.025 Zeichen · 71 Bildschirme
二
されるが、私は夜が更けるまで寐ることが出来ないから、その間の心持といったらない、殊にこの頃は夜は長し、東京を出る時から一晩の泊が気になってならないくらい、差支えがなくば御僧とご一所に。
快く頷いて、北陸地方を行脚の節はいつでも杖を休める香取屋というのがある、旧は一軒の旅店であったが、一人女の評判なのがなくなってからは看板を外した、けれども昔から懇意な者は断らず泊めて、老人夫婦が内端に世話をしてくれる、宜しくばそれへ、その代といいかけて、折を下に置いて、
(ご馳走は人参と干瓢ばかりじゃ。)
とからからと笑った、慎み深そうな打見よりは気の軽い。
二
岐阜ではまだ蒼空が見えたけれども、後は名にし負う北国空、米原、長浜は薄曇、幽に日が射して、寒さが身に染みると思ったが、柳ヶ瀬では雨、汽車の窓が暗くなるに従うて、白いものがちらちら交って来た。
(雪ですよ。)
(さようじゃな。)といったばかりで別に気に留めず、仰いで空を見ようともしない、この時に限らず、賤ヶ岳が、といって、古戦場を指した時も、琵琶湖の風景を語った時も、旅僧はただ頷いたばかりである。
敦賀で悚毛の立つほど煩わしいのは宿引の悪弊で、その日も期したるごとく、汽車を下ると停車場の出口から町端へかけて招きの提灯、印傘の堤を築き、潜抜ける隙もあらなく旅人を取囲んで、手