Japanische Klassiker mit Furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme
幽霊塔
怪物は音吉爺やであったのだ。
「変な笛の音がしたもんですから、念の為に見廻ったのですが、お嬢さまの部屋が何だか妙でございますよ」
「そうか。よしッ。ドアをぶち破れ」
二郎は気負って叫ぶ。
幸いドアは福田邸のものの様に頑丈ではなかった。二人の気を揃えた力で、何なく開いた。
二人ははずみを喰って、寝室へ転がり込んだ。と同時に、アッと迸る驚愕の叫び声。
幽霊塔
妙子は寝台から辷り落ち、あけに染って倒れていた。右腕のつけ根に、グサリ突刺って、まだブルブル震えている短刀。
家内中のものが妙子の寝室へ集って来た。見張番の刑事はこのことを警察署へ報告した。やがて、駈けつけて来た係官の取調べ。それをこまごま書いていては際限がない。
例によって犯人の通路は全く不明であった。窓もドアも凡て内部からしっかり締りが出来ていた。玄関の寝ずの番も、居眠りをしていた訳ではなく、表門裏門の刑事達も部署を離れていた訳ではない。殆ど奇蹟である。犯人は文字通り魔法使であったのだろうか。信じ難い奇怪事だ。
だが、まだしも仕合せであったのは、二郎の気附き方が早く、大声で怒鳴った為に、犯人は殺人の目的を果す暇なく、ただ、短刀の一突きで、そのまま逃出してしまったことだ。