Japanische Klassiker mit Furigana
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まじゅつし
魔術師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme
断頭台
夜の中に? だが夜とても邸のまわりには厳重な見張り番がついているではないか。
やっぱり怪物だ。魔法使だ。アア危い。一郎は深くも考えず賊の恐ろしい罠に陥ろうとしているのではなかろうか。
断頭台
薄暗い階段を昇りながら、ふとあることに思い当ると、流石豪胆な一郎も、思わずゾッとして、腰のポケットに用意していたピストルを握りしめた。
白昼とは云え、場所は不気味な幽霊塔だ。薄暗い幾曲りの階段、頂上の文字盤の裏には、見通しの利かぬ複雑な機械室、人間一人隠れる場所はどこにだってある。若しや、あの文字盤の貼紙は賊のトリックではあるまいか。それにつられて昇って来る犠牲者を、塔中の暗闇に擁して殺害しようという、恐ろしい企らみではないだろうか。
併し、強情我慢の一郎は、おびえて引返す様なことはしなかった。彼はピストルを胸の前に構え、一段昇る毎に、前後を見廻しながら、注意深く進んで行った。
今にも、今にもと、寧ろ敵の襲撃を待構える気持だったが、案外別段のこともなく、頂上の機械室に達した。
機械室は小工場といってもよい程の大がかりなものである。ギリギリと噛み合っている巨大な歯車の群、この室の心臓とも云うべきゼンマイ仕掛けを包んだ、べらぼうに大きな鉄の箱、鉄の柱、鉄の腕木、鉄の心棒、それらによって作られた複雑極まる陰影。