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Japanische Klassiker mit Furigana

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まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

燃える骸骨

燃える骸骨

親子四人は、声を限りにわめき罵ったけれど、復讐鬼はもう相手にしなかった。彼は唯黙々として煉瓦積みを続けていた。が、間もなく、その物音さえもしなくなった。扉の外に、完全な煉瓦の壁が出来上ったのである。

狭いといっても、六畳程の部屋だ。昔の奥村源次郎の様に、急に窒息する気遣いはない。だが上下四方とも厚い煉瓦で完全に密閉された穴蔵だ。いつかは酸素もなくなるであろう。いや、それよりも、空腹の方が先に来るかも知れぬ。いずれにもせよ、じっとしていたら、死ぬ外はないのだ。

煉瓦の壁を打破る様な、鋭利な武器はない。たった一ヶ所、外へ抜け出す可能性があり相に思われるのは、源次郎の横わっている洞穴だが、そこの土を掘る為には、恐ろしい骸骨に手を触れなければならぬ。死者の悪念におびえ切った四人のものは、まだその洞穴へは入って行く勇気がなかった。

彼等は乏しいライターの光に、お互の顔を見合わせて、冷い床の上に坐ったまま、黙り込んでいた。

黙っていれば、黙っている程、底冷えのする地底の夜気と共に、生埋めの恐ろしさが、ひしひしと身に迫って来る。

「アア、駄目だ。ライターのベンジンがなくなってしまった」