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Japanische Klassiker mit Furigana

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まじゅつし

魔術師

江戸川 乱歩

Lesen Sie 魔術師 (まじゅつし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.264 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

その舟の中で、妙子は、ふと通り魔に襲われでもした様に、妙な事を云い出したのである。

「それは、根もない夢の様なことかも知れませんわ。でも、わたくし小さい時分から、不思議に先々のことが分りますの。母は五年以前になくなりましたが、その母の死にますのが、わたくしには、半年も前からちゃんと分って居りましたのよ。それと同じ様に、今度のこの恐ろしい夢も、本当になって現われるのではないかと思いますと、もう怖くって、怖くって、一人で寝んでいる時など、ふとそれを考えますと、ゾーッと水をあびせられた様な、それはいやアないやアな気持になりますのよ」

「お姉さま、又そんな話をしちゃ、いやだ」

進一が、まだ十歳の少年の癖に、大人の様な恐怖の表情で、叫んだ。

「で、それは一体どんな夢なんです」

明智が、妙子の異様に陰気な表情に、びっくりして尋ねると、彼女はそれを口にするさえ恐ろしい様子で、声を低くして云うのだ。

「何ですか魂のある黒雲みたいなものが、私達一家の上に、恐ろしい早さで覆いかぶさって来るのです。わたくし、もう二三ヶ月も前から、絶えまなくそれを感じていますの。恰度雉が大地震を予感します様に。