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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

ひとつ、宅助を哀れと思って、なんとか助けておくんなさいまし。その代りに働きますぜ、エエどうでも、皆さんの顎次第にクルクル飛んで歩きます。先一昨日だってそうでしょう。高津の宮へかかった時、わっしがお米を見つけたからこそ、だんだん糸に糸を引いて、弦之丞の居所やお綱の様子も分ったというもんで……。いずれ皆さんが、それを知りつつ、手を下さずに、シインと鳴りをしずめているのは、さだめしもう彼奴を、殺してしまう寸法がついたんでしょうが、そのきッかけを見つけた手柄者の宅助は、まだいっこう目鼻がつきません。その手がかりをつけた功に愛でて、ねエ天堂様、ついでにお米も」

「おい、虫のいいことをいうな」

と周馬がからかうように、

「その手柄者は貴様ではない、高津の宮の遠眼鏡だ」

「あ、なるほどネ」

と、頭をかいたが、如才なく、

「お願いしますよ、この通り、旅川様、お十夜様」

「うるさい奴だ」

苦笑しながら、皆ぞろぞろ次の部屋へ立ちながら、

「刷毛ついでがあったらなんとかしてやる。だから、そこをきれいに掃除しておけ」と襖をたてた。

「けっこうです」

と宅助、不精をいわずに働きだした。