Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
「高津の宮で、天堂様にお目にかかりましたところが、やあ宅助か、ぜひ一日、安治川のほうへも遊びにこいとおっしゃったもんですから」
「たわけめ、あの一角などがそちにろくな智慧をつけおりはしまい。それよりお米はいかがいたした? お米の身は」
――そウらおいでなすった、と宅助は肚の中でおかしく思いながら、お米は今夜大津の叔父の所へ暇乞いに行って、明日の晩は、自分と四国屋で落ちあう約束になっている――と出まかせにいいくるめて、
「へい、ご心配にゃ及びません。この宅助が、はばかりながら、抜け目なく睨んでおります」
と安心させた。
「そうか、それならよいが、しかし、ここにちょっと困ったことが持ち上がっているのじゃ。宅助、何かうまい才覚はないか」
「お話しなすッてみて下さい、啓之助様のふところ刀、智者の宅助が頭をしぼってみようじゃございませんか」
「ほかではないが明日の晩」
「へい、明日の晩?」
「十九日だな」
「今日は十八日ですから、多分あしたは十九日でござんしょう」
「四国屋の商船に法月弦之丞が乗りこむことを知っておるか。かれのほかにもう一人、お綱とやらいう女も一緒に、それへ便乗しようとしている彼らの企みを、存じてはおるまい」