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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

で、阿波守の爽やかな胸から、時々、明るい笑いが頬へのぼる。

波を見ては笑み、人をみては笑み、馬をみては笑む。

「阿波殿!」

と、お茶屋の端にかけている三位卿が、それを見て声をかけた。

「ウム、何か?」

「愉快でござりますな」

「心地よいの」

「若侍たちの水馬も、日に日に上達してまいります」

「蜂須賀武士じゃ!」

「南蛮鉄のような皮膚――」

「あれへ具足を着込ませたら、よもや江戸の青ひょろけた侍どもにひけはとるまい」

といいながら阿波守、ふと、有村のうしろにかがんでいる二人の見なれぬ侍に目をつけた。

「あれにいるのは何者か?」

と、重喜が妙な顔をした。

ひとりは頭巾をつけ、ひとりは総髪。どちらも大名の前に出られる風姿ではない。

「もと川島郷の原士、関屋孫兵衛です」

と、待っていたように、有村がひきあわせた。

「ひとりは旅川周馬という浪人、一角にも劣らず、弦之丞を討つについて骨を折りました」

「ウム」

重喜は鷹揚にうなずいた。

さきに、天堂一角から推挙があったので、その名前だけは耳にしていた。

有村は、お言葉をたまわりたいと願った。そして、関屋孫兵衛は、某所で果し合いをした折の刀傷を病んでおるので、頭巾のままおゆるしを願いたいとつけ足した。