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Japanische Klassiker mit Furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme

Aozora Bunko

そいつさえ当たりがつけば、もうしめたものだが……」と、息を殺していると、

「ここか」と、外で職人らしい声がした。

「客人」

と、前の中年者が顔を出して、

「聞いてみたら、やっぱり鑿を失くしたのは部屋の源次という人だった」

「ア、それやどうも、お世話様で」

「先でも、使い馴れていた稼業道具を失くして、困っていたところなんで、話してやったら大よろこびさ。で、今ここへ連れてきたからね」

「そうですか」

と、片手をついて身をねじりながら、

「源次さんとおっしゃるのは? ……」

と、土間の外を見ると、まぎれもなく、この間、宗理の店から、弦之丞とお綱の刀をうけ取って帰った、あの若い男である。

失くしたとばかり思っていた道具が手に戻って、大工の源次は、わけは知らずに礼をいった。

「近づきの印に、どこかで一杯やろうじゃねエか」

どっちから誘うでもなく、涼み半分、ぶらりと、連れ立って飲みに出かける。

眼八には思う壺。

「不案内でございますから」

と、ついて行った。

源次は礼におごるつもりなので、町の西端れの馴染みの家へ案内した。だが、そこの払いも眼八が先に越して、

「どうせ、今から部屋へ帰っても、この暑さじゃ寝つかれやしません。