Japanische Klassiker mit Furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Lesen Sie 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 261.216 Zeichen · 521 Bildschirme
八、九人の原士は、かれのまわりへ黒くなって集まった。だが、抱き起こされた三位卿はもう悲壮な死顔をしていた。
慷慨の気にとむ白皙の青年公卿がいさぎよい自害は、さすがに、そこへ駆け寄ってきた弦之丞の心をもうった。
鴻山も万吉も、口もとを固くして、それを見つめる。
「かれも一個の志士であった。世に遇わない不幸児であった。もし、尊王討幕の実があがる暁はあっても、ついにかれは無名の一公卿に終るだろう」
人は知らず、弦之丞だけは、ひそかに一掬の涙をもって、かれの死を見まもった。
すると、その様子などには目もくれないで、ひとり無念そうにたたずんでいた孫兵衛は、衆皆、有村の自殺に気をとられている隙をみて、
「ええ、気が弱えッ」
と自他を罵るごとくいって、またも、不意に大刀を揮った。
かれの眼に映じたものは第一にお綱であった。狙われたお綱は、サッと見た流刃に肩をちぢめたが、吹かれた髪の毛を助広の尖にかすられた。
「うぬ、てめえと弦之丞だけは」
悪鬼は破れかぶれとなって、
「――冥途の道づれだッ」
と盲目的に斬ってかかるやつを「野郎!」と万吉、飛びついて孫兵衛の腕くびをねじおさえ、