Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「や、死んでる!」
「咽喉をえぐられている!」
「鳩尾も!」
眷族たちは走りかかった。
鬼火の姥ばかりは嘲笑った。
「脆い奴じゃ、沼へでも捨てろ! ……盲人が……竹の杖で……凄い腕じゃと……アッハッハッ、何をいうやら! ……いずれは飛天夜叉の部下の奴らに、討ってとられたことであろうよ」
「円信!」
としかし範覚は怒鳴った。
「様子を見て来い、林へ行って!」
山伏姿の円信という男が、すぐに林の中に駈け込んで行った。
「頼春めは行衛不明になった」
姥は話をつづけて行った。
「内通をした頼春めがよ。……頼春さえ武家方についていたら、宮方一味の豪族ばらの名、一切知れて都合よかったに、行衛不明になったのじゃ」
「頼春の女房の早瀬とかいう女、この女など糾問したら、宮方一味の公卿や武士の名、すこしは知れるであろうにな。……なんでもその女が頼春をすすめて、裏切りさせたということじゃから」
こう範覚は利口ぶって云った。
「ところがどうだろう、その早瀬も、家出をしたということじゃ」
鬼火の姥は舌うちをして云った。
「良人の後を慕ってのう」
「へえ」
と範覚は興ざめたように、
「その女も家出、それはそれは。