Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「はい」
と右衛門は穏しく云い、少し離れて草の上へ坐った。
「小次郎や」
と桂子は云った。
「気を悪くしちゃアいけないよ」
「はい」
と小次郎も穏しく云った。
「いいえ何んとも思いはしません」
「ねえ小次郎様」
と囁くような声で、今度は浮藻が話しかけた。
「ではあなたにはママのテコナの……」
(アレいけねえ)
と小次郎は思った。
(またテコナでいじめられるのか。……大鉞で脅かされた後を、テコナでいじめられちゃアやりきれねえ)
でも小次郎の心持ちは、今たいへん寂しいのであった。
兄ともいうべき親しい仲の、また従兄弟の蔵人頼春が、宮方を裏切って武家方へついた。そのために今回の大騒動が起こり、土岐十郎頼兼も死ねば、多治見ノ四郎二郎国長も死んだ。そうして噂による時には、頼春も早瀬も家出をして、行方不明になったという。
で、本来なれば小次郎その者も、土岐一族として討たれて死ぬか、でなければ宮方の裏切り者として、武家方の禄を食むかして、生存しなければならなかったのであるが、あの夜幸い館にいずに、桂子のもとへ来ていたので、そのどちらの身の上ともならず、こうして桂子の一党として、このようにくらすことが出来るようになった。