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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

裾踏みしだきツカツカと進んだ。

と、遥かの峰の方から、あたかも颪が渡ったかのように、谷をうずめて群れ立っていた木々が、揺れ、靡き、騒立ち軋り、悲しそうに啼く猿猴の声が、腸断つように響き渡った。

と思う間もあらばこそであった。

四方の木々から庭を目がけ、飛礫のように十、二十、百、二百と無数の猿が、飛び下り馳け下り転び落ちて来た。

庭は猿で埋ずもれた。

桂子と卯ノ丸との間を距て、卯ノ丸と浮藻との間を充たし、一寸の隙も一分の空間も、この地上には見られなかった。

広い館の前庭は、毛皮を敷いたそれのようであった。

牡の猿、牝の猿、子を抱いた猿、老いたる猿――猿の数は千にも余るであろうか、ことごとく地にひざまずき、王なる卯ノ丸の真似をして、胸に両手を合せていた。

そうして桂子を見守った。

今は啼き声は聞かれなかった。

声のない生きた猿の毛皮は、しかし漣の打つように、絶えず起伏し動揺した。

王なる卯ノ丸の真似をして、桂子へ頭を下げるからである。

その中にあって雪のように白い猩々卯ノ丸の姿というものは、卯の花が円く叢をなして、そこに花咲いているようであった。

が、その背後に若い女の艶かしい装束がつかねられてあった!