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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで八月二十四日の夜、主上におかせられては勿体なくも、婦人車にお召しになられ、神剣、神璽を奉じたてまつり、ひそかに南都へご行幸あそばされ、ついで和束の鷲峯山へご行幸、ここも、危険とおぼしめされ、笠置の城へ入らせられ、ここを行在所とお定めあそばされた。

が、これ以前に大塔宮様と、ご談合あそばされた一事があった。

六波羅討伐の挙兵の際には、主上比叡山へ鸞輿を巡らさる。――というところの御打ち合わせであった。

そこで主上におかせられては、侍臣花山院師賢卿へ、竜の御衣をお着せになり、御輿に乗らせて比叡山へ遣わし、

「車駕、延暦寺に幸す」と宣せられた。

叡山の衆徒は感奮し、大塔宮様ともどもに、車駕を西塔に迎えたてまつり、おりから攻めよせて来た佐佐木時晴の、六波羅勢を打ち破ったが、その時心ない山風が吹いて、御車の簾を翻えした。

御車の中に坐せられたは、主上にはおわさで師賢であった。

いかに衆徒たちは失望したか。

次第に勢が離れ去った。

大塔宮様におかせられても、

(今はこれまで)

とおぼしめし、比叡山を捨てて大和路より、主上のおわす笠置へ入られ、さらに笠置もあやうしと見るや、回天の秘策を御胸に持たれ、正成のこもる赤坂城へ、数日前にお入りあそばされたのであった。