Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
そうして縁へ両手をつくと、端近にいた高坂出羽権守の耳へ、何やらヒソヒソ囁いた。
平素はそのような細々しいことには、決して留意しない陸奥守ではあったが、恐怖らしいものに捉えられている今は、そんなことにさえ心が引かれ、
「権守権守」
と声をかけた。
「何事じゃな、何か起こったかな?」
「怪しい男女を捕えましたそうで」
と権守は物々しく云った。
「怪しい男女? ほほうどこでな?」
「拙者の陣前を忍びやかに、赤坂城の方へ歩みおりましたそうで」
「なるほどそれは怪しいの」
「斬りすてましょうや、捕え置きましょうやと、意見を訊ねに参りましたような次第で」
「さような者は斬りすてた方がよかろう」
「美しい若い男女の由で」
「ほほう」
と、陸奥守は微笑した。
「男などはどうでもよいが、女が美しいとは聞きずてにならぬの」
「しかし」
と、傍にいた三河入道が、
「飛天夜叉などであろうものなら……」
「なんの飛天夜叉が男などを連れて、陣前などを通るものか」
「いえいえ」
と、その時まで座中を眺めながら、話を聞いていた鬼火の姥が、
「飛天夜叉めは手下の一人、風見の袈裟太郎と申す者をつれて、忍び込んだと申しますことで」