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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

そうしてまことに不思議なことには、この城の他の囚人たちは、この城の中ならどこへなりと大概の所へは行くことを許され、ほとんど自由を許されていたのに、彼ばかりには許されていなかった。

で、彼はこの城へはいって以来、この部屋ばかりに寝起きしていて、食事の世話や身のまわりのことなどは、一人の老婆によって扱かわれていた。

そうしてここが漢権守の、恐ろしい住居ということや、活躰解剖の真相なども、その老婆から聞かされた。

もっとも彼はそれ以前から、漢権守という人物の噂や、

(はいったら永久出ることの出来ない、この世の活き地獄)であるその居城の、凄じい噂は聞き知っていた。

(それにしてもこの城へはいって早々、浮藻が活躰解剖の、犠牲などにされようとは!)

小次郎は猛然と床から飛び起き、扉の方へ走って行った。

「開けろ! あけてくれ! この扉をあけろ! ……助けないでおこうか、助けないでおこうか! ……浮藻よ浮藻よきっと助けるぞよ! ……おおおお頼む、この扉をあけてくれ! ……」

小次郎は全身を力まかせに、扉へ叩きつけ叩きつけた。

もちろん扉は開かなかった。

そうして誰もが答えなかった。