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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「何立て札? なんの札じゃ!」

「大塔宮様討ったる者へは、莫大の恩賞与うるの立て札!」

「それで裏切り者出ようかの?」

と、姥がいささか心もとなさそうに云った。

「そなたさっきも云われた筈じゃ、十津川郷民は勇猛じゃと。……いやいや勇猛ばかりでなく、利にくらまされず節義を尚ぶと、久しい前から聞いてもいるに」

「何んの」

と大弥太は一人のみ込み、

「おおよその郷民は仁に近い木訥、融通きかぬ手合いではござるが、中には利に敏い者もあって……」

「さようさ、ちょうどお前のように」

と早速範覚が横口を出した。

「何を!」

と、大弥太は怒鳴ったが、しかし図星をさされたので、怒鳴ったとたん、赤面した。

「これこれ」

と、はじめて声をかけたのは話を聞いていた定遍であった。

「範覚つつしめ、口がすぎるぞ。……大弥太気にかけるな、さてそれから」

「はい」

と、大弥太は一揖し、

「その立て札を見ましたならば、八荘司はじめ郷民たちは、動揺いたすでござりましょう。そこへつけ込み私はじめ、姥殿にも範覚殿にも、手を分けて裏面から、誘惑の腕ふるいましたら、宮様の御首級掻こうとする者、幾人か出るでござりましょう」