Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「誰かこいつを読んでくれ」

「お前読みな、遠慮はいらねえ」

「おれ読めぬ、鳥眼でな」

「朝見えない鳥眼なんて、おおよそ世間にあるものでねえ」

すると一人の山伏が、声高く立て札を読み出した。

「――大塔宮ヲ討チ奉リタラン者ニハ、非職凡下ヲイワズ、伊勢ノ車ノ庄ヲ恩賞ニ充テ行ナワル可キ由、関東ノ御教書有之、ソノ上ニ定遍先ズ三日ガ中ニ六千貫ヲ与ウベシ、御内伺候ノ人、御手ノ人ヲ討チタラン者ニハ五百貫、降人ニ出デタラン輩ニハ三百貫、イズレモ其日ノ中ニ必ズ沙汰シ与ウベシ。――とこう立て札には記してあるのじゃ」

すると群集は喚き出した。

「宮様を討てとは何事だ」

「熊野の定遍の悪巧みだな!」

「こんなものに何んでまどわされるものか!」

「こんな立て札ひき抜いてしまえ!」

「待て待て」

と山伏があわただしく止めた。

「まてまて、とはいえ、悪くないのう、非職凡下というからには、失業している平民どもじゃ、それが宮様さえ討ちとったら、一庄の主になれるのじゃ! 六千貫貰えるのじゃ! ……乞食が大名になれるというものじゃ! ……悪くないのう、悪くないのう!」

「黙れ、こやつ、とんでもない奴だ!」