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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうともよ」

と、左源太は云った。

「恩を仇じゃ! 恩を仇じゃ!」

「どうでも討たずばなるまいがな」

「討つともよ、どうでも討つ!」

「車の庄も手に入るしな」

「六千貫も手に入るわ!」

草には露が下りていて、足に冷たく感じられた。

「玉置の荘司殿は何んと云われたかな?」

大弥太はふと気づかわしそうに訊いた。

「よもや宮家へご加担などとは……」

「云わぬよ」

と、左源太は物憂そうに答えた。

「宮家を討つは以前よりの存念、昔よりわしは武家方じゃとな」

「そうであろうとも、そうなくてはならぬ。……では明日宮家が小原をさして行かれ、玉置をお通りになろうものなら、荘司殿には弓矢をもって……」

「弓矢をもってお敵対するとも」

「が、それには及ばぬのう」

「…………」

「われらが今夜やるのじゃからな」

「…………」

「われらがやらずば玉置殿がやる。……どっちみち宮家はご運の尽きよ」

「…………」

「玉置殿に功名されては、車の庄と六千貫とが、われらからフイになってしまう。……そちにしては弟の敵が討てぬ」

「だがのう」

と、左源太は気弱そうに云った。

「恐ろしいことも恐ろしいぞ」

「また弱気か、臆病な奴め!」