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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

小次郎と桂子とが抱き合ったまま、廊から部屋の中へ消えたのと、浮藻が気絶したのと同時であった。

この同じ夜のことであった。

六波羅北の探題邸を、子を取られた鬼子母神のように、部屋から部屋、廊から廊と、鬼火の姥が喚きながら、金地院範覚を探し廻っていた。

「範覚よ、どこへうせた! お主に去られてはわしゃもたぬ! ……範覚よ、ちょっと来てくれ!」

一つの部屋の襖をあけた。

と、近習の若侍たちが、雑談に花を咲かせていたが、

「色情狂じゃ、それ逃げろ!」

バタバタと逃げてしまった。

「範覚よ、ちょっと来てくれ! ……今後はきっと浮気はしない! ……お前一人ハッキリときめる! ……範覚よ帰って来ておくれ!」

また一つの部屋の襖をあけた。

「化物だ――ッ、それ逃げろ!」

稚子たちに雑って茶童たちが、双六に興を催していたが、一斉に立って逃げてしまった。

「範覚よ、どこにおいでだ。……お前に去られたらわしゃ駄目じゃ。……根こそぎ力が抜けてしまう。……ただの婆さんになってしまう! 範覚よ、帰って来ておくれ! ……」

鬼火の姥は血眼になって、館中探して廻るのであった。

熊野から十津川、芋ヶ瀬から玉置と、大塔宮様を討ち奉ろうと、鬼火の姥と範覚とは、不敵にもお後をつけ廻したが、とうとう目的をとげることが出来ず、宮家には槇野城へおはいりになり