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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

浮藻を抱えたまま範覚は、矢のように走って姿を消し、

「待て、待ってくれ、おおおお範覚!」

と右衛門は喚きながらその後を追った。

それから数日の日が経った雨もよいの寂しい夕暮れであったが、桂子の館の前庭で、幽霊女と鶏娘とが、鶏頭の葉をむしりながら、しょんぼりとして話していた。

「ああとうとうこのお館も無住の古御所になってしまうのね」

「そう、わたしたちが行ってしまえばねえ」

「小次郎様はどうなされたことやら?」

「あの晩まるで狂人のように、魔の高殿から駈け下りられ、『戦場へ! 戦場へ! そこで働いて討ち死にする』と叫び、館から馳け出して行かれたがねえ……」

「それよりその後から桂子様が、顔にお袖をおあてになり、別人のような様子になられ、やはりお館から出て行かれたが、そのお姿が眼に残っていてならぬ」

「あの時わたしは桂子様へ『飛天夜叉の桂子様、どこへおいででございますか?」って、恐る恐るお訊ねしたところ、『わしはもう飛天夜叉ではなくなったのだよ、ただの女になってしまったのだよ。……昔の飛天夜叉に立ち返るまでは、お前たちには逢いますまい』と、泣きながら仰せになられたっけ」