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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

過ぐる夜桂子の高殿で、ほとんど無我の境の中で、桂子と契った小次郎であった。

契った後の後悔慙愧! 肉親相愛に似たものがあって、いたたまれないような気持ちがした。

そこで桂子の館を出た。

(穢い浮世、醜い人生! ……生き甲斐のないこの身ではある!)

衷心からそう思われた。

(戦場へ出て討ち死になとしよう)

そこで吉野の宮方に加わり、今日まで働いて来たのであった。

身分を宣って出でたならば、一方の将にも取り立てられたであろうが、出世に望みのない彼であった。一雑兵として終始して来た。

しかもとうとう死におくれたのである。

(さてこれからどうしたものか?)

大藪の裾に佇んで、もう夕陽が消えたので、藪に搦まっている蔓草の花が、宵闇にことさら白く見える、そういう寂しい風物の中に、悄然といつまでも動かずにいた。

その時人の気配がし、藪の横手から声がかかった。

「卒爾ながらお訊ねいたしまする。大塔宮様御行衛、ご存知なればお知らせくださりませ」

小次郎はギクッとしてそっちを見た。

片腕が肘から切られてい、片足が膝から切られているので、左の脇の下に撞木杖を挟み、満足の右の手に竹の杖を持った、盲目の乞食が藪の横に、乱れた髪を顔にかけ、妖怪のように立っていた。