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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

間もなく侍女に案内されて、素足の指に血などにじませ、かむって来たらしい被衣を手に持ち、髪を乱し顔蒼ざめた早瀬が、ソワソワした様子ではいって来た。

「お父様!」

と縋るように坐った。

「…………」

無言でそういう様子を見詰め、太郎左衛門はとむねをついた。

(尋常でない出来事らしい)

そう思ったからである。

「頼春は?」

とまず訊ねた。

「は、はい、良人頼春は……」

バラバラと涙をこぼしたが、

「わたくし無理に酒すすめまして、酔わせて深い眠りに入らせ……」

「…………」

「わたくし一人家をぬけ出し、ま、参りましてござります」

「…………」

親子は烈しく眼を見詰め合った。

六十近い太郎左衛門の、白髪の多い鬢の毛が、黒塗り燭台の灯に照らされて、銀線のように顫えて見えた。

「早瀬!」

と忍ばせた声ではあったが、強い烈しい力を持った声で、

「父を信じて……さあ何事も……心しずめて……云うがよいぞ。……頼春何んとかいたしたかな!」

「お父様!」

とこちらも必死! ――早瀬も必死の声を顫わせ、

「宮方ご謀反! 良人頼春も! ……」

「娘!」

「あッ……いえいえ……お父様!」

早瀬はグッと唾をのんだ。