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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

「小次郎や」

と桂子が云った。

とたんに鉞が宙へ上がった。

右衛門が鉞をふりあげたのである。

「さあ磨げた! 斬れるぞ斬れるぞ! 時々鉞も血を吸わないと、精気を失い元気を失う! ……斬られて血祭りにあげられたい奴、どこかにないか、あれば出て来い! ……女たらし、軟弱漢、不正直者、謀反人、忠義の心忘れた奴! ……北条高時、弓削ノ道鏡、蘇我の入鹿、川上梟帥、こういう奴ならいつでも斬る! ……われらがご主人桂子様ご姉妹、ご姉妹に、盾つく人間あらば、それこそ情け用捨はせぬ! ……すぐに斬る、遠慮なく斬る!」

頭上で鉞をふり廻した。

燈火に反射した鉞の刃は、蛍合戦の時数千の蛍が、塊まって巨大な球となり、それが虚空に渦巻くがように、青光り閃き渦をまいた。

小次郎は顫えて首をちぢめた。

(おれ斬られる! あぶねえあぶねえ!)

「右衛門や」

と桂子は云った。たしなめるような声であった。

「お前の心持ちはわかっているよ。……口に出してあまり云わないがいいよ。……お前の武勇も解っているよ。……大事に蔵っておくがいいよ」

「はい」

と右衛門は穏しく云った。

そうして鉞を床の上へつき、その柄へ躰をもたせかけた。