Japanische Klassiker mit Furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme
この辺には高い木は無く、偃松と裏白ナナカマドが処々に団落をつくっているだけだ。この外エゾ栂桜や夕張栂桜、駒草、岩梅……多種多様、みな色が鮮かで量がとても多い。黒岳の東面にはエゾの金梅草が咲く、日本アルプスの信濃金梅に似て、ひとまわり大きく、眼のさめるようなみごとな花だ。
お花畑の挿図
動物も大分特異な種類が多く、鳥の声など聞き馴れぬものばかり、ただ星鴉はここにもたくさんいる。エゾ雷鳥は山鳥のような姿で、これは冬も白くならぬという、私は偃松の間で見たが、森林に多いそうだ。八月の初旬、黒岳小屋で、南の方に数声のカッコーを聞いた。偃松のある所でこの鳥の声は、私には初めてのことで、ちょっと勝手がちがった。
蝶ではこの山特産のウスバ黄蝶はやや時期をすぎていたが、ときどきお花畑でその美しい姿を見かけたし、大雪タカネヒカゲや旭ヒョウモンにもしばしば出会った。
獣には面白いものがいる。黒岳あたりにはシマリスが多く、あまり人を恐れない。啼き兎はピーッと鋭い声を立てて、時々岩間に敏捷な姿を現わす、鼠ぐらいのかわいいものだ。山友のひとりは小屋の塵塚を漁りにきたらしい狐を見たという。