Japanische Klassiker mit Furigana
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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
Lesen Sie ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) von 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.905 Zeichen · 262 Bildschirme
羆はこのへんには比較的少ないらしく、ただ一度友達が、凌雲の斜面を親子づれで歩くのを見たくらいだ。しかし夜用たしに出る時なぞ、ちょっと薄気味わるいし、すこし遠出する時は、ひとりでは心細い気がする。
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南に移って白雲岳(二二二九メートル)へ進むと、景象は大分変ってくる。この山は噴火口が美しい礫原をなし、頂上はその外輪で珍らしく巨岩が累積して荒い風景を作り、最高峰旭岳や南方の諸山が見わたせる。旭岳との間には多量の残雪が氷河のような流れを幾条も横たえている。白雲の北腹には大雪田が谷に向って断面を露わしていたが、目測で十メートルを越えると思われた。同じような残雪は烏帽子岳の東面にもあって、八月半ばでこの雪量は、日本アルプスでも劔、白馬の外は比肩できまい。他にも一見平凡な雪で、意外の厚みを持つらしいのが多い。この点、飯豊山式の万年雪といえよう。新設の白雲小屋は、この東方山腹の小高い隆起にあって、視界が南方に開け、気もちのいい所だ。黒岳は営林署員が宿泊の世話をしているが、ここ以下は皆無人だ、しかし食器まで備わっている。ここの水場がすばらしい。あたり一面エゾの金梅草で、清流はヤチ蕗の花に埋もれ、まず黄金の波間にただよっているような感じだ。