Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちょうふじん

お蝶夫人

三浦 環

Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme

Aozora Bunko

十二月十二日の夕方、ちょうど仲小路様おいで遊ばした時、母は何やら胸を押えてうつむき居るのを見て、

「ママちゃん、如何なさったの?」

と私が問いし時、

「みぞおちが痛い」

との答えなので、すぐに床につかせた。この田舎では唯一人七十三歳になる医者が居るばかりで、母はその医者の薬はのみたくない、三浦謹之助先生に東京からおいでを願いたいという。

でも自動車もきかず汽車の便も悪いここへ、三浦先生にお泊りがけでおいでを願うことはとても不可能なので、私は手紙で三浦先生にお願いしてお薬を送っていただいたが、手紙がとても遅く着いたので、往復に十五日もかかり、その暇に母の口から回虫が出たので、この虫がわざをしていたことが判明して私はちょっと安心した。が、この地の寒さは一通りならず、零下二十六度などこの土地としても十年このかたの寒さとのこと、私は母に床中で冬を過ごさせる方が、例年の肺炎のおそれがないと思って、そのまま母を床につかせておいた。

床中で母は三度三度食事をする、大小便もあるにかかわらず、何やら起きあがるようになれず、湯タンポを二ツ私は入れては取替え、夜中に寒気に震えながらも私は火を起こして必ず湯タンポのお世話をした。