Japanische Klassiker mit Furigana
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おちょうふじん
お蝶夫人
三浦 環
Lesen Sie お蝶夫人 (おちょうふじん) von 三浦 環 (みうらたまき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.730 Zeichen · 242 Bildschirme
鴬が啼きはじめて、まことの春になって来たと思うて私は母のよくなることを楽しんでいた。が、母に床ずれが出来始めた。足がむくみ始めた。けれど三度三度の私のすすめるお粥、卵その他なにもなにもおいしく食して居らるる母、これなら必ず全快するであろうと思うた。
母の顔は、やさしいやさしい顔になって来た。
土地の医者は、四月十六、十七、十八の三日間母に注射をした。御親戚にお知らせの方がいいでしょうとの言葉に、私は少し腹が立った。まだ死にそうにもないのにと思ったけれど、電報をとにかく打たせた。
十八日の朝、村の天野御老人が見舞いに来られて、お豆腐はとても身体の薬だと母に申されたのに、母は私のために全快したさがやまやまとみえて、
「それでは豆腐を今すぐ下さい」
といわれた。母の床ずれは上に向かう方は毎日乾いて来るので、毎日床を取替えて、右向きと左向きと取替えたが、十八日には母の手もむくみの来たのを見た。
四月十九日は大嵐の日で、老体の医者は、来てくれなかったので注射も出来なかった。この日、田舎から橘次郎さんと横山唯一さんと、東京のてる子とやす子が来た。母は今日でちょうど三日間つづけて、お大便を沢山してあったので、私はこれを洗っておいた。