Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
いってみると、その建物は水の中にがっしりと建っていて、中で大勢の唄をうたう声が、風の音をとおして聞えてきた。戸口は閉めてあるし、小屋ぜんたいが繩や綱で巻いてあった。
「おい、大丈夫か」栄二は引戸を力いっぱい叩きながら喚いた、「みんな無事か」
中の唄声が止まり、栄二の頭上から呼びかける者があった。ふり仰ぐとそこに小窓があり、誰かが首を出していた。
「もっこ部屋のぶしゅうだ」と栄二が仰向いてどなった、「清さんは大丈夫か」
小窓の首が消え、代りに清七が首を出した。もちろん顔は見えないが、声で清七だということがわかった。
「おらあ大丈夫だ」と清七が云った、「おめえはまたなんだってこんなとけえ来た」
「ようすをみにだ」
「聞えねえ」と清七が云った、「いま綱をおろすから、それにつかまってくれ」
投げられた綱は風に吹き払われるので、栄二がそれを掴むまでに、三度もやり直さなければならなかった。何人かが力を合わせて引きあげ、栄二が小窓からはいると、そこは棚のようになった中二階で、闇の中からわっという歓声があがった。
「頭に気をつけてくれ」と清七が云った、「ここは菜種袋を積んで置くところで、幅は九尺しきゃあねえし、頭の上はすぐに天床だ、まあここへ坐ってくれ」