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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

けれども河岸へ来て石川島を見ると、急にこわくなって足がすくんでしまう。自分がゆけばまた、世間や人を憎む栄さんの怒りを煽るだけだろう、いってはいけない、もう少し辛抱しよう、そう思い返し、自分をなだめすかすようにしてそこから帰った。

「こんどの大あらしで、まっ先に考えたのはここのことだったわ」とおすえはちょっとまをおいて続けた、「――夜なか過ぎだわね、だんだん風は強くなるばかりだし、お父っつぁんは上げ潮が心配だって云うの、この風が潮のいっぱいになる刻までやまなければ、深川の海っぺりは水につかるだろうって、――深川が水につかるならここはなおさらでしょ、町木戸やなにかがなければ、あたしそのままここへとんで来たかったわ」

女衒の六はなぜそんなことをした、と栄二は思っていた。六は避難する船に乗ったが、船からおりるとき、繩細工をする老人が海へ落ち、それを救おうとしてとび込んだ。そして老人といっしょに溺れ死んだ、というのである。――避難した人足たちは、五日めまでに一人残らず帰ったが、その出来事を見た者が六、七人もいたし、六の死躰はそのまえに発見されていた。その船は中洲へ着いたのであるが、六の死躰は干潮時に流され、佃島の岸の杭にひっかかってい、水玉模様の仕着で、すぐに寄場へ知らせがあった。