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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme

Aozora Bunko

栄二はまた俯向いた。

「へえ会います」と彼はやがてそう答えながらおじぎをした、「ご面倒をかけて申し訳ありません」

ではと云って岡安は立っていった。与平は掛夜具を折って、栄二の背中へ当ててやり、寝衣の乱れを直してやったりした。――さぶは包みを抱えてはいって来、左へ右へとむやみに頭をさげ、なにやら礼のような、詫びごとのようなことをもぐもぐ云った。

「どうぞあがって下さい」与平は手を振りながら云った、「構いません、遠慮はいりませんからどうぞ」

そして老人は思いだしたように、向うから半屏風を二枚持って来て、栄二の寝床を囲った。病人は三人いたが、あいだはかなりはなれているし、こっちを見るようなこともないだろうが、与平としては気をきかせたつもりに相違ない。さぶはそれにも恐縮しながら、腰を跼めてすり寄った。すり寄って来て包みを脇に置き、恐ろしいものでも見るように、おずおずと栄二を見あげて、頬笑もうとした。

「栄ちゃん」と吃りながらさぶが云った、「さぞ、――苦しかったろうな」

同時にさぶの顔がだらしなく歪み、その小さなまるい両眼から、大きな涙が続けさまにあふれ落ちた。